人は何らかの欲求が起こると、その欲求を満たそうとする行動に出ます。
しかし、行動ができない、行動を阻止されるような事が起こる、行動の結果が思うようにならないなど、欲求が満たされない状態になる事を欲求不満(フラストレーション)と言います。
また、この欲求不満に陥ると、人はイライラしたり不安になるなど、不快な情緒的緊張が持続します。
このような状態を解消し適応を持続する為に取る行動を適応の機制と言い、半ば無意識的に行われるものとされています。
その適応の機制は大きく3つに分かれます。
①攻撃
②逃避
③防衛機制
欲求不満に陥った時、問題を冷静に捉え忍耐強く合理的に解決しようとする力が働く事が多いですが、問題にうまく適応する事ができず不合理な方法で解決しようとする人も少なくありません。
その適応の機制を一つずつシリーズで示していきたいと思います。
今回は、一つ目。
攻撃
欲求不満への最も直接的な反応です。
例えば、会社で上司に怒られた時、逆に上司の非を責めたりするなどがそれに当たります。
人間関係において、理不尽な要求などに対しての適度な攻撃は必要です。
またその場に応じた適切な攻撃を示す事は、対等な人間関係を築いていく為に必要な場合もあります。
ですが、多くの場合は、直接相手に攻撃をする事は人間関係に支障が出る恐れがあり、社会的に許されない概念がある為、適切で必要な範囲の攻撃であったとしても抑制の力が働きます。
その場合、直接的ではなく間接的な攻撃で出る場合もあります(陰口や告げ口など)
また攻撃には、
*なぐる・蹴るなどの身体的攻撃
*悪口・ののしるなどの言語的攻撃
*八つ当たり・弱いものいじめなどの転移した攻撃
*攻撃が外部に向けられない場合に自責・自己嫌悪・自己軽蔑・自殺など自己への攻撃などがあります。
このような反応は、その時の欲求不満を解消するには役立つかもしれません。
ですが、だんだんブレーキがきかなくなりエスカレートしてしまったり、冷静に戻った時に罪悪感を感じるなど、また違った側面の問題が生じる可能性もあります。
その時の情緒に左右され、単に攻撃を示すだけでは、根本的な問題の解決にはつながらないでしょう。
普段からいかに自分を見つめ、思考や感情のコントロールのトレーニングを積むか?がポイントですね。
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